2022-01-01から1年間の記事一覧
彼女はフロアに ヒールをカツンといわせて 立つ 二本の脚は カツ カツ カツ とリズムを刻み フワリとスカート なびかせて いきなり ドリル回転 ダンスフロアは砕かれて 粉塵の中に 彼女は消えてった
炎は炎に吸いこまれ 合体したら 炎はますます大きくなった やがて だんだん小さくなって よちよち歩き
ぐにゃぐにゃ 道路が のたうちまわり それが 喜びにうちふるえてる 大地だと分かり 僕はそしらぬ顔で 車を走らせる
文学的解釈に疲れてぼんやりと 冥府に行って帰ってくる ふと気づくとあの子は 回送列車になりかけの 電車の座席にすわってた 青春を電車の暖房で育んだ 我らが女子高生たちは その熱の余韻で将来の夫を選び 子育て三年目までをこなすと言う ここは極東 海の…
湯舟につかる かの如く パイプの中に居り
地下迷宮と化した サブウェイを 行ったり来たり 番地を答えよ 行き先はどちら 地下に咲く曼珠沙華が唄う ねむの木もご機嫌 袋小路はどこまでも ちょうどその時 かれらのベッドは もぬけの殻だった
あたしの故郷では 腹に何かを隠し持った 密入国者を 龍が啄ばみて はじき出す ビルとビルのすき間から 龍が垂直に飛び出して 曇り空にゴロゴロと 音を立てている 商店街は龍の寝ぐらだ
夕焼け空に UFOあらわれて あの娘の帽子になりたいと 着陸 あの娘のあたまはヘリポート 再離陸
見知らぬおじさん あらわれて ボン ボン ボンネット ボン ボン ボンネット 跳ねる 転がる ピカピカ ボンネット
かつて唱和の時代には いたるところに電話BOX 宿無し天使が電話帳めくって 夜も更けて
キノコの如く 生える ビルとビルの あいだ 通りを ひとまたぎ 街を ひとまたぎ ダイダラガールが ゆく
肢体 全てを使って 男を誘惑する 現代の浮かれ女たち 黄昏時に 街に現れては 身体ふるわせて 魅惑の音を 響かせる
目が覚めたら 枕元に 女看守が 立っている 俺は 幸せを感じて 再び まどろみ 眠りに落ちた その瞬間 鞭で打たれた ああ これは現実なのだ
北風が 星を吹き飛ばす 夜空を駆ける セールスマン 地獄の一丁目から九丁目 優良物件かかえて 闊歩する 黄金のアタッシュケースには 札束と契約書
走るあの子の ポニーテールが 弾んで 追跡ポリスの 速度は上がる ちょっと そこの君 待ちなさい 止まりなさい 生徒手帳を出しなさい あの子は そんなのシカトして 水たまり跳び越えて どこまでも